オールドマニュアルレンズの満足感とミラーレスのためのコンパクト化

現在の中古カメラ店に行ってみてください。すると、数年前にはあんなにあったオールドレンズをあまり見ないことに気づかされます。その理由は、様々なアダプターを利用しオールドレンズが使う楽しさを、ミラーレス一眼カメラユーザーが再発見しているからです。オールドレンズは、写真に独特な味を与えてくれます。また、その造りの良さと操作感は素晴らしく、特に、機械式マニュアルフォーカスでは、自在性において、スピードと正確さは抜群です。そしてミラーレス一眼カメラの視覚的なフォーカス補助(ピーキングやスプリットスクリーンズーム)は、マニュアルフォーカスを、オールドレンズを本来のカメラで使用する時よりもずっと正確に、そして直感的に可能にします。

一眼レフカメラのために設計されたオールドレンズを利用するのに不都合な点は、ミラーのために設けられたレンズとイメージセンサー(またはフィルム)間の大きなスペースに適応した光学系が必要となることです。ライカの様なレンジファインダーレンズでさえ、“フランジバック”にある程度大きな距離が必要とされます。しかし、ミラーレス一眼カメラ専用のレンズは、短いレンズとイメージセンサーの距離を基に設計され、同等の画質をより小さい光学系で実現できます。そこで、CM33は、オールドレンズの操作性と造りの良さ(数十年に渡って洗練されてきた技巧)からインスピレーションを受け、そして、かさばる巨大なレンズとアダプターを持ち歩かなくて済むミラーレス一眼カメラ専用の最新光学設計に、それらの技巧を取り込みました。

CM33は、最高の造りの良さと操作感に重点を置き、完全な社内での専用設計を採用しています。フォーカスリングもそのひとつで、“マニュアル”をスイッチで切り替えるオートフォーカスレンズには、ワイヤーで連結された鈍い電子フォーカスがしばしば用いられますが、CM33の精密加工されたアルミと真鍮のパーツで直結するフォーカスリングは、あなたの手と光学系の動きをダイレクトに繋いでくれます。更には私たちの“フォーカスファインダー”機能を使うことにより、完璧にスムースで信じられないほど正確なピント合わせが実現できます。

私たちは、CM33が、長年愛されて使用して頂けるような、真の優れた撮影機材にしたいと考えています。
私たちは、機構試作用のパーツを社内のCNC旋盤と研磨機を用い完成させました。実際の生産でも、同じ設備を使用する計画です。これは、私たちが並外れた能力と精度の設備を有していることにより、パーツやアセンブリの設計を臨機応変に最適化できることを意味しています。それはまた、大量生産品に典型的に用いられるようなパーツを最小限に抑え、より少ないパーツに、より多くの機能を持たせることが可能になります。これは、CM33における、生産過程のバラつきを最小限にし、使用時の感触を素晴らしくしっかりしたものにします。

パンケーキパッケージの特別な光学品質

CM33は完全に独自の登録商標された光学設計を使い、Fujifilm X マウント、Sony E マウント、そしてCanon Mマウント向けに社内で開発しました。これら3つのシステムは、実質的にセンサーサイズとフランジバックの距離が同一のため、一つのレンズ設計でサイズや機能を損なうことなく3機種全てに適用できます。

CM33の一年間における光学系の開発の結果、最新のコンパクトな高品位レンズと同レベルの画像品質を備えたユニュークな5群レンズ設計を、より最適化されたパッケージで実現させました。それは、性能を妥協することなく、ミラーレス一眼カメラに装着してどこへでも持ち運べることを可能にしたパンケーキレンズです。

33mmの焦点距離を選んだ理由は、ポートレートや風景、または芸術作品からカジュアルな撮影まで幅広く使えるフルフレームの50mmオールドレンズと正確に同じ画角が、CM33が設計されたAPS-Cサイズで得られるためです。CM33のコンパクトボディーで開放絞りf/2の実現のために、私たちは全力を尽くしました。それは、暗い状況でも十分なシャッタースピードと心地よいボケが得られる浅い焦点深度を実現するためでした。50mmの焦点距離と開放絞りf/2の組合せ、そこにはいくつかの最も歴史的に重要なレンズがあります。例えば、ライカの草分け的存在である1930年代の"Summar"、そして今も定番の"Summicron"です。その理由は単純で、明るくて順応性が高く、様々な状況で世界をナチュラルに表現できることです。

私たちは、一年におよび、以下を含む膨大な実地試験と性能評価を繰り返し、設計に反映させました。

  • 像のコーナー付近での色つきの原因となる、カットオフやカラーシフトの回避を確実にする為のカメラセンサーの分好感度曲線の測定。
  • 光学系の設計で正しく補正するための、カメラ内のフィルターやカバーガラスの特徴の測定。
  • 高い性能目標を設定するための、MTF、歪、色収差、ボケ、そして、高品位レンズの様々な優れた点に関する、研究的および写真的なベンチマーキング

長年にわたって開発された独自の光学設計技術を使うことにより、私たちは真の写真性能のための最適化設計を、単純化しすぎたMTFカーブの様な一般的に知られたものでない形で、定義できるようになりました。そして、アメリカで既に光学製品を製造している La Croix Optical社とパートナーになることで、世界に通用するガラス、コーティング、プロセスに対してアメリカ国内での連携体制を確保しています。数十年に渡って医学、軍事、科学、工業向けに精密光学部品をつくりながら洗練されてきた彼らの生産能力をフルに活かしながら、私たちの設計を最適なものにするために、彼らと緊密に連携して取り組むことができました。

たとえば、生産開始した理想的なレンズ形状から、特定の微細な変更の効果をソフトウエアでモデル化できるようにしました。そして、私たちは(実際のレンズを増やすよりもむしろ)それらを、実際に正しい光学収差として設計に使用します。サイズやレンズ間を変更する設計の複雑さは必要としません。実際に、私たちは通常使用するのに必要な非球面レンズの性能を、難しい実機試作なしに得ることができました。このような技術は、軍の高度な光学部品のために蓄積されてきました。しかし、私たちは同じツール、技術、そして供給会社をCM33に適用し、驚くべきサイズと性能を実現しました。

我々は、様々な実験室でのテスト画像と実際の写真を、ホームページに掲載しましたので、CM33の光学性能をご自身の目でご覧いただくことができます。その結果は、印象深い風景写真から親密さを伺わせるようなポートレート、心を奪うマクロイメージまで、あらゆる絞りでいろいろな場面のディティールと雰囲気を直感的に捉えることを可能にするという、レンズの最高の伝統に合ったものだと、我々は考えています。CM33は非常に鮮明であり、色収差や歪みはほとんどなく、口径食は自然でマイルドな量のみとなっています。CM33がとらえる画像は、特にこの超コンパクトなサイズのレンズとしては、特別にすぐれたものであると考えています。

驚くべきマクロ・クローズアップ能力

CM33のユニークな設計のもう一つの強みは、驚くべき至近距離からの撮影能力です。多くのレンズ設計では、光学的そして機械的な複雑さを減らすため、クローズアップ性能を犠牲にし、付属のマクロアダプターリング、または特定の(一般的には大きい)マクロレンズの使用を前提とします。しかし、CM33なら、そのままで、対象物に5.5インチ(140mm)まで、十分に柔軟に対象物を捉えることができます。

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